週休3日制のすすめ

子育て世帯の支援という軸から考える保育園の運営についての第2弾、週休3日制のすすめです。

 前回のお話はコチラ↓

suzuwaka.hatenablog.com

前回も書いたとおり、子育て世帯のためだけというよりは、子育て世帯も働きやすい環境って、結局それ以外の人も働きやすい(疲弊しづらい)環境ではないのか、と考えています。 

 

*1日10時間勤務は疲れる?

当園では変形労働時間制として、1日10時間×週4日のシフト制をとっていますが、開園届を出しに行ったら、市の担当者には「1日に10時間も働いたら疲れませんか?」と聞かれました。

確かに1日の労働時間が8時間と10時間を単純に比較したら、10時間の方が疲れるとは思います。

しかし、1日8時間で契約している保育士でも、休憩が取れなくて実動時間が増えていたり、急な残業が生じたりしていることも多く、1日の実働時間は実際は10時間近いことが常態化しているケースも少なくないと考えています。

同じ10時間近い労働でも、「もともと10時間働くつもりで来て、10時間働く」のと「もともとは8時間働くつもりで来ているのが、のびて10時間になる」というのでは、働き手の心理的な負担は全く違うと思っています。

ちなみに市の担当者からは、「1日の労働時間が長いと採用が難航するのでは」とも言われましたが、お蔭様で保育士からの問い合わせは相当に多い状況です。業界の状況をよくわかっている保育士だからこそ、このあたりの「どうせ8時間といっても10時間近くなる」ことは感覚としてわかりやすいのかもしれません。

ちなみに退勤時間は「保護者が事情でお迎えがすごく遅くなる場合」の最長に設定してあるので、何事もなければ基本的には10時間働かずとも帰れますし、当然にその分の賃金を引きもしません。

 

週休2日と週休3日、働く時間が同じならプライベートの時間も同じ?

午前勤務で午後が半休の場合。もし、仕事が予定より長引いたら・・・と思うと、予定の再調整のしづらい用事は午後に入れづらい。

午前が半休で午後が勤務の場合。仕事に遅れないようにしないと・・・と、午前の予定は余裕をもってすぐ終わるもの、遠くまでいかないものと制約が生じる。

というように、1日のうちどこかに仕事が入って来るだけで、1日の使い方に「念のため」「余裕をもって」と余白時間を作ったり、出先や用事の内容に制約が生じるのではないでしょうか。

例え週の労働時間が同じでも、プライベートに充てる時間が細切れになればなるほど、使い勝手が悪くなると言えると思います。

丸1日休みの日でも、翌日も休みだという日には遠出をしたり、夜遅くまで飲んだり遊んだりしがちですが、翌日が仕事という場合は、家に遅くならずに帰れるように予定を組んだり、夜更かしせずに早めに寝ようと心掛けたりすると思います。

このことからも、個人的には労働時間もプライベートの時間も寄せて、週休3日制にする方が、プライベートの時間の過ごしやすさが増すと考えています。

特に子育て中は、子どもの定期健康診断やら予防接種やら平日の指定された日時にこなさないといけない用事も多く、週休2日制だとなかなか都合もつかずに欠勤せざるを得なかったり、土日に振替出勤をしたりということもあるので、その面でも週休3日制はメリットがあるように思います。 

 

*連休取得がしやすい

当園で基本的には最低でも2連休は毎週とれます。これは土日休みの週休2日制では普通のことかなと思いますが、週休3日制なのでそれとは別に更に1日休み。

皆がワガママを言い過ぎない環境だから成り立つことではありますが、通常の休みから3連休にしやすいのはもちろん、有給をあてて4連休・5連休も比較的容易にとれます。

連勤も少なく、4連勤というパターンは月に1回あるかどうか(それも本人の希望休や有給の兼ね合いによる場合のみ)で、基本は3連勤。

日曜・水曜休みの週休2日制だと同じ感じの連勤具合ですね。ただ繰り返しますが、週休3日制なのでそれとは別に更に1日休みです。

2連休のあとに1日だけ出勤したらまた2連休も割とあるかなと思います。

まぁ、連休と連休の間に1日だけ出勤する方が面倒くさいという人もいると思うので、このあたりは好みにもよりますが・・・

 

*休日出勤や振替勤務の時も楽

トラブルや誰かの代わりに急に出勤をしないといけない時。

自分も逆の立場になることもあるだろうから、とお互い様の気持ちでいても、休日出勤手当が出たとしても、実際に休みが週に1日だけになるというのは不便だったり悲しかったり疲れたりするものです。

1日だけの休みって、ちょっと寝坊して、溜まった家事と買い物をしているうちにあっという間に終わってしまうもの。せめてもう1日ほしい・・・と思うこと、ありませんか。

或は、家族都合でどうしてもある週に4日間休まないといけない時。

有休も使い切っていて、お給料も必要だから振替勤務します!といっても、元が週休2日制だと、6連勤・1日休み・6連勤・1日休み・5連勤をこなさないといけない。

これが元が週休3日制だと、そもそも1日分振り替えればいいだけだし、翌週に振り替えてもまだあと2日休める。

 

*働くことが悪いみたいな風潮?

私自身は毎日7時30分から18時30分まで保育に入り、閉園後には諸々の残処理を21時くらいまでしているのが週6日。日曜には見学や面談などの対応と買い出しなどで、まぁ月の殆どを働いている感じです。

合間でちょっとずつ休憩を入れたり、現場の調整がつけば保育に入らず佐賀にイカを食べに行ったり(笑)と、自由にやっているのでさほど働きづめなことにストレスはありません。

個人的には、仕事が好きで好きでとにかく仕事をしたい人には好きなだけ働かせて、とは思います。どんな理由があっても、日本国民一律で週40時間しか働いちゃいけませんとか言われたらすごく困ります。

ただ、そうじゃない人だっていることも、或は例え本当は仕事が好きで寸暇を惜しんで仕事を頑張りたいタイプでも、そうも言っていられない状況や時期があることもわかります。だから、選択肢の1つとして、休みの日がいっぱいある働き方があることは、大切だと思っています。

私はこういう働き方がいいな、とか、今はこういう働き方がいいな、という時に、選択肢が無いことで「働けない」になってしまうのは、もったいない。

週休3日制が絶対的に素晴らしくて、週休2日制がダメと言いたいわけではなく、あくまでも選択肢の一つとして、けっこういいところあるよ、週休3日制、という話です。

実際に、当園の職員でも、どうしても週休2日がいいということで1日8時間の週休2日制で入職した保育士がいました。まぁ3ヵ月で週休3日制に切り替わったので、やっぱり週休3日制のメリットは大きいのかなと思いますが(笑)

 

いかがでしょうか。

まだ実績としては歴の浅い園ですが、今の所は採用活動での反響、雇用後の運用面、実際の職員の反応を見ても、週休3日制、なかなかオススメです。

 

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